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五月晴れを十分楽しむ間もなく、梅雨の気配。窓越しに漂う、しめっぽい空気が嫌で、、、さっさと窓を閉め、クーラーに切り替えました。また地獄のように暑い夏の到来か・・・。 さて、そんなジメジメした気分をふっとばすような、魅力的なエッセイつき写真集をご紹介いたします。新聞でも話題になっているので、ご存じの方も多いはず。『Advanced Style ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』 (大和書房)。 税込で2,700円とやや高めですが、しっかりとしたハードカバーで、高齢のマダムたち(最高齢は100歳くらい)の独創的な装いと、細部まで工夫を怠らない「究極のおしゃれ心」、自信と優しさに溢れた表情の数々、機知に富んだ人生についてのコメントなど、どのページにもまったく無駄がないのがいいです。著者のアリ・セス・コーエンの解説(知的でエレガントな英語で書かれ、岡野ひろかさんの日本語訳つき)も含めると、決して高い本ではありません。 コーエンはまた、本書の中で女性の年についてはさりげなくしか触れていないのが素晴らしい。「おばあちゃんなのに頑張っている」とか、「年齢よりずっと若く見える」とかのコメントはなし。80歳の女性は80歳らしく、100歳の女性は100歳らしく撮られていながら、高齢の女性ほど美しいのはなぜでしょう?深く刻み込まれた彼女たちの「シワ」はむしろ、美しさやエレガンスの一部になっているかのような・・・。 まあ、本書をリアリティーに欠けると思う方もいらっしゃるでしょうね。こんなおしゃれな高級マダムたち、パリやミラノ、NYの一部でしかお目にかからないですから。でも、その非日常性が、写真に見入る読者の心を潤してくれる、、、ように意図されていると思います。 本書に紹介されている女性たちのコメントにはウィットや示唆に富んだものが多いですが、次の言葉はとくにお気に入り(*原文、訳文とも、本書からそのまま引用)。 "Feel beautiful inside, and you will be beautiful outside."(物事の美しさを感じる心があれば、外見も美しくなるのよ)(by Ilona Royce Smithkin) このところ様々な本をご紹介しておりますが、本書は当分私のバイブルになりそうです。「人間とは、常になにかに興味を持ち、考え工夫し(改善し)、自分なりに新しいものを創りだしていく生き物である。そうでなければ、人生とは退屈で死にたくなってしまうから」(by Keri) そろそろ私も、その退屈を打ち破りたい、と密かに思っているところです。 お陰さまで、引き続き好調です! Keriの最新著書:『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)が7万部を突破! 関連サイト: ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ
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by kerigarbo
| 2015-05-23 13:41
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GW報告2日目。伊勢神宮の主役、内宮をまわりました。こちらがメインなので参拝している方の数が圧倒的に多いですが、似たような写真と説明になってしまうので、今回は省略いたします。 ご覧の一枚は、お参りのために砂利道を2日間歩き続けた結果、足が棒のようになり、、、最後に鮮やかな緑と爽やかな空気に囲まれて、まったりとくつろぐ私。この直前に茶席でお菓子と抹茶もいただき、ああ、いい気持ち。 ということで、すみませんが神社の話はこれまでにて!内宮前のノスタルジックな横丁を紹介することにいたしましょう。ここはなんと、時代とともに減り続ける観光客をつなぎとめるために赤福さんがわざわざ作った観光地とか。そういえば、外宮、内宮ともにGWなのにあまり人がいなかった。タクシーの運転手さんによると、観光客が増えるのは休日を迎えるこれからが本番ということでしたが、、、それにしても全体に少し閑散としている印象はありましたね。 とまあ、おかげ横丁が実際に伊勢参りの人口をどれだけ増やしたのかはわかりませんが、どのようなきっかけでもよいから、日本の伝統の地は、みなさまぜひ訪れていただけたらと思います。 私はこのあと、宿泊先の鳥羽へ向かいました。鳥羽のホテルから見下ろす紺碧の海を堪能し、もちろん伊勢エビ、アワビを楽しみ、翌日は早めに伊勢を切り上げて名古屋に立ち寄り、東京へ戻りました。 GW報告前半はこれまでにて。いささか強行軍でしたが、とても楽しかったです! お陰さまで、引き続き好調です! Keriの最新著書:『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)が7万部を突破! 関連サイト: ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ
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by kerigarbo
| 2015-05-12 14:53
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ゴールデン・ウィークもとうとう終わってしまいましたね。週末直前の金曜日、みなさまいかがお過ごしですか? 今年のGW、前半は家族と伊勢神宮をお参りしてきました。ご存じのように伊勢神宮は広大で、食べ物の神様として知られる豊受大御神が祀られている外宮(げくう)と、皇室の御祖神でもある天照大御神が祀られている内宮(ないくう)とに分れています。 初日は到着後すぐ外宮へ。のびのびと、どこまでも天高く伸びる大木たち。濃い新緑が放つ「気」、木々の間をゆったりと吹きぬける優しい風。心がすっかり洗われました。 20年に一度、遷宮する伊勢神宮。お隣の新造された正宮は撮影禁止なので、遷宮跡の前に立つ。 たくさんあるお宮さんのひとつ、土宮(つちのみや)。 それにしても、今回深く感心したこと。お参りのときは、鳥居の前で毎度一礼。参拝するときは2拝2拍手1拝。2拝の前に深く2礼、1拝のあとは深く1礼と、じつに恭(うやうや)しい。これを正宮だけでなく、神宮内のあらゆる神様に対して行う日本人はなんて敬虔な国民なのだろう!一緒に参拝していた外国人たちが不思議そうな目で見つめておりました。 最後は、神宮にまつわる御品や写真を展示するせんぐう館へ。勾玉(まがたま)の池が静かな佇まいで、歩き疲れた私たちを迎えてくれました。清らかな気持ちになる一瞬です。 せんぐう館の中では、祈年祭、月次祭、神嘗祭、新嘗祭などの年中行事の説明や、神社で稲を育てて収穫する様子、御装束・神宝を仕上げる匠の技など、多くの貴重な情報が得られます。20年に一度の遷宮、それに伴う建物の新造、殿内の御装束や神宝の新調などの行為は、後世に「伝統工芸の優れた技術を守り伝える」のが主な目的であるという説明になるほどね! 伊勢神宮に関しては、皇室の神様とされていることから、あえて避ける方もいらっしゃいますが、日本人としてはやはり「お伊勢さん」の愛称で親しまれている神宮を一度は見ておいてよかった、と素直に思いました。 次回は、内宮とおかげ横丁のお話。 お陰さまで、引き続き好調です! Keriの最新著書:『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)が6万部を突破! 関連サイト: ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ
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by kerigarbo
| 2015-05-08 10:36
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大型連休が目前に迫り、世の中はすっかりホリデー・ムード。ジェットコースターのような激しい気温差により風邪をひきこんだ私も、明日から旅行に出かけます。 さて、人生の次のステップに移る前に、とにかく断捨離するぞ!と意気込み、今世界中から注目を浴びている、噂の「こんまり」こと近藤麻理恵さんの『イラストでときめく 片づけの魔法』(サンマーク出版)を買いました。 現在、ななめ読み中ですが、気になるのはタイトルにもある「ときめく」がどんな英語に訳されているかということ。(これキーワードですから、とても重要!) アマゾンで英語版を入手する前に、アンソロポロジー・ロックフェラー店で買い物するこんまりさんのインタビューを掲載しているNew Yorkerの記事を発見。そちらをまず読んでみました。 記事によりますと、本のタイトルは、“The Life-Changing Magic of Tidying Up: The Japanese Art of Decluttering and Organizing"。tidy upは綺麗にすること。declutterというのはclutter(散らかす)の反対なので片づけること。organizeはもちろん整理することですね。ご本人の肩書はDecluttering Consultantとあります。ここには「きらめく」に相当する語句はない・・・ 記事を読み進めると、"Kondo’s criterion for deciding whether to discard or keep an item is the same for purchasing: we should feel a thrill of joy when we touch it."(こんまりさんが物を捨てるかキープするか判断する基準は、買い物のときと一緒です。つまり、触ってみて「ときめき」を感じるかどうか)だそうな。feel a thrill of joyかどうかですね! また、"Discard any clothing that no longer sparks joy." (ときめかない服は捨てよう)。動詞のsparkは光などを放つ意味で使います。また名詞として使えば、Our marriage has lost its spark.のように、結婚生活において、もはや"ときめき"(=spark)を感じなくなったときにも使えますよ。 それから、こんまりさんがドレスを選ぶ際は、サイズの合わないものはもちろん、触ってみて"ときめかない"ものは選ばない。それでも両手に何枚かたまったときは― "Reduce until you reach the point where something clicks."(これだ!とぴんと来るまでは、とにかく数を減らそう)something clicksというのはぴんと来るという意味で使ってよいと思います。 実はまだ、本書に散見される「ときめく」という表現が英語でどう統一されているかまでは発見できていないので、それは後日ということに。 写真は、こんまりさんの本に従ったわけではないのですが(というのも、本を買う前に整理したので)、床に全部本を並べ、ときめく順に選んでいった―ところまでは本どおりですが、まったくときめかない本を何冊か処分しただけで、ほとんどが元のままとなりました!(←一部の媒体では、この本棚が逆さに見えるようです。携帯で撮った写真がときどきそうなるのはどうしてでしょうか・・・) ちなみにこの本棚は、過去にいただいた英語関係の本ばかり。友人が著者ということも多いので、そのような本はやはり捨てられない(どうしたらよいか、こんまりさんの本に書いてあるかな??)。いつかその類の本を自分自身が書かなくなったら捨てるかもしれませんが、それはいつになるのだろう・・・ それでは、みなさまよい連休を!とくに予定のない方は、こんまりさんに倣って、クローゼットの中や本棚を整理してみてください。Wish you luck! お陰さまで、引き続き好調です! Keriの最新著書:『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)が6万部を突破! 関連サイト: ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ
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by kerigarbo
| 2015-04-28 13:56
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大学を辞めてから約2週間。なんとなく落ち着かなく、ソワソワ。「まだ、たったの2週間だよ、君」と夫。(そうでした!) 常勤、非常勤を含め20年以上、定期的に行く場所があったのは体調管理的には正解だったんだ、と最近思っています。思いっきりフリーになり、締切のない生活を楽しみながら、健康を損なわない良質の生活サイクルを模索中。 さて、長いあいだ足が遠のいていた映画館に昨日出かけました。2015年私の初映画は、ウディ・アレン新作の『マジック・イン・ムーンライト』。結論から先に言うと、最近のアレン作品の中でも秀逸です! ストーリーを簡単に紹介しますと、主役は大物マジシャンのスタンリー(コリン・ファース)と謎のアメリカ人霊能者ソフィー(エマ・ストーン)。舞台は南仏。時代は20年代後半。 科学で証明できることしか信じない、超合理主義者のスタンリーは友人に頼まれ、ソフィーの霊能力がfake(偽物)であると証明し、彼女のやっていることはfraud(詐欺)だと暴くことにやっきとなります。しかし、なればなるほど、彼女がつぎつぎと言い当てる事実に霊能力の信憑性を感じ、ソフィーの美しさや飾らない性格に惹かれていくのでした。 また、敬愛する叔母との会話を通じてスタンリーはソフィーへの愛に気づいていくのですが、合理主義者の彼は「恋」という架空の魔物?を信じることができない。でもー I have irrational positive feelings for Sophie Baker.(ソフィー・ベーカーに対し、理屈では説明できない、、好意をもっているかもしれない)とスタンリー。 irrational(非合理的)という言葉はスタンリーが忌み嫌う言葉。なぜなら彼は、When the heart rules the head, disaster follows.(心が理性に勝つと、かならず災難が訪れる)と信じているから。 とまあ、ソフィーの謎が解ける後半部分を除けば想定内の展開なのですが、ウディ・アレンの作品はいつもそう。リアルでわかりやすいテーマを扱い、わかりやすい舞台を使って(NYやパリやローマなど)、ちょっぴりロマンチックに、でも単純ではなく計算しつくされたプロットや台詞を通じて、観客を魅了する。観客は親しみを感じながら、ああやっぱり!―と最後にうなづくようになっている。He is a genius! ちなみに、ある民放の番組で彼のインタビューを放映していたのですが、本作では二人の主役に対する注文は事前に一切なく、まともなリハーサルもなく、俳優たちはintuition(直感)で演じたとか。品のいいイギリス紳士にコミカルさをブレンドしたファースと、天使のような華奢な肢体に、小悪魔みたいに切れ上がった碧眼と大きな口元が印象的なストーンがいれば、演出する必要はなかったということでしょうか。 すべてのチョイスが素晴らしい―とは、観終わって満足感たっぷりの熟年夫婦の感想です。さて、みなさんはどうかな? 写真は、映画のあとの夫婦睦まじきディナーで撮ったと言いたいところですが、そうではなくて、先日元編集者の方たちとひさしぶりにランチをしたときのフォト。 お陰さまで、引き続き好調です! Keriの最新著書:『何でも英語で言ってみる! シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)が6万部を突破! 関連サイト: ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ
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by kerigarbo
| 2015-04-13 11:04
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【Keri先生のプロフィール】
光藤京子(みつふじきょうこ) 英語コミュニケーション・翻訳関連の執筆家・コンサルタント(TAS & コンサルティング)。会議通訳、翻訳ビジネス、大学講師の経験を生かし、これまで数多くの本を出版している。『働く女性の英語術』(ジャパンタイムズ)、『何でも英語で言ってみる!シンプル英語フレーズ2000』(高橋書店)のほか多数。最新書に『する英語 感じる英語 毎日を楽しく表現する』(ジャパンタイムズ)がある。 お気に入りブログ
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