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果たして罪は償えるのかー「つぐない」

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わずかな湿気を含んだ初夏の風、若木の匂いが芳しいゴールデンウィーク。
みなさま、どうお過ごしでしょうか。

今日は、イアン・マキューアン原作の「贖罪」を映画化した「つぐない」をご紹介します。

舞台は、1935年のイギリスの田園にある金持ち一家の邸宅。封建制度の残る当時では珍しいことではなかったと思いますが、美しい長女セシリア(キーラ・ナイトレイ)と使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)は、密かなる愛を育んでいました。

でも、それを一変させたのは、ロビーが間違えて妹のブライオニーに託した一通の手紙。それは、セシリアにまったく渡すつもりのなかった、ロビーの卑猥な本心を綴ったものでした。

It was never meant to be read.
「それは読んでもらうために書いたんじゃない」とロビーはセシリアに釈明します。
(be meant to…は、「~を意図している/ ~のつもりである」という意味でよく使う)

しかし、この一通の手紙が、邸宅で起こったある事件との関連でロビーを罪に落としいれ、セシリアとの愛を引き裂く結果になってしまうのです。

この映画が素敵なのは、クラシックな舞台とストーリーを現代的な大胆なカメラアングルと緻密に計算された音響効果で仕上げていること。気だるいイギリスの田園風景で始まり、ダンケルクの海岸に群がる疲れた兵士たちの姿、ロンドンの戦渦で必死に生きる不安に満ちた人々の姿・・・当時の人々の姿がとてもリアルに描かれていて、その中で愛を貫こうとするセシリアとロビーの恋が、一層激しく、見る者の胸を打ちます。

ブライオニーの嘘と悲惨な戦争によってすべてが絶望に変わってしまったロビー。唯一の希望は、セシリアへの純粋な愛でした。

The story can resume.
「物語はまた始まる」と、ロビーは何度も口ずさむ。

つまり、3年半前に確かめ合ったセシリアとの愛は、何が邪魔しようと再び始まるということをロビーは最後まで信じていたんですね。

ロビー役のジェームズ・マカヴォイ、この役で一段と好きになりました。「ペネロピ」で見せた軽い現代男の役より、クラシックな役が似合う。大きな優しい碧い瞳に、映画を観ていた若い女性たち、かなり虜になっている様子でしたよ!

妹ブライオニーの13才と18才の役を二人の女優が演じていますが、彼らもまた、たわいもない嫉妬が招いた悲劇を背負って生きていく姿を巧みに演じていると思いました。

ゴールデンウィークに何を観ようかなという貴方へ、この映画、かなりお勧めです。
(必ず、ハンカチを持っていってね)

私は今日からやっとお休み。みなさまも楽しい連休をお過ごしください!
by kerigarbo | 2008-05-02 12:12 | Comments(1)
Commented by タイ at 2008-05-12 10:30 x
ブログ次回も楽しみにしています。!
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