人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ガルボトップへ Exciteホーム | Woman.excite | Garboトップ | Womanサイトマップ
20年代にスリップする?「ミッドナイト・イン・パリ」
20年代にスリップする?「ミッドナイト・イン・パリ」_c0019088_957481.jpg

ひさしぶりに映画の話題です。ウディ・アレン42本目の最新作、「ミッドナイト・イン・パリ」。

翻訳のクラスで、教科書のエクササイズにウディ・アレンが出てきた。この人知っている?「・・・」「う~ん、名前だけなら」。

「彼の映画観たことある人?」 ひとり手を挙げた。ロシアからの留学生でした。

というわけで、今日はウディ・アレン独特の世界をご紹介したいと思います。

フィアンセとパリにやってきた、ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)。しかし、彼にはひとつの悩みがあった。

I'm having trouble because I'm a Hollywood hack who never gave real literature a shot. (僕はハリウッドの雇われ三文作家で、本物の文学を書いたこともない!)(give a shotは口語で、頑張って何かに挑戦すること)

現実的で派手好きなフィアンセのイネズ(レイチェル・マクアダムス)やその両親とも実はそりが合わない。新居の家具選びの際、迷うイネズと母親に、

It's understated but elegant. (地味だけど、エレガントですよね?)と言うギルに対して、(understatedは控えめで地味なこと)

Cheap is cheap. (安物は安物よ)と投げ返す姑。

イネズとの将来に微妙な違和感を感じ始めたギルに、ある夜、とてつもない出来事がやってくる。目の前に止まった黄色の古いプジョーに乗って向かった先は、なんと1920年代のパリの社交界だった。

そこには、作家のスコット&ゼルダ・フィッツジェラルド夫妻が、コール・ポーターが、ジャン・コクトーが、、、次のバーには敬愛するアーネスト・ヘミングウェイが、、、

さらにその翌日には、ピカソ、その後ヘミングウェイの愛人となるアドリアナ(マリオン・コティアール)との出会いが待っていた。この世のものとは思えない美しさと、知性と妖艶さを兼ね備えたアドリアナにギルは一瞬で恋してしまう。この恋の行方は映画を観てのお楽しみ!

その後も、ダリが出てきたり、少し前に戻ってドガやロートレックが出てきたり(皆かなり似ている!)。それらの有名画家たちの台詞や、ヘミングウェイの行動が後世の名作につながっていく様など、絵画や文学が好きな人には、別の意味でたまりません。

パリを観光したような気分を味わいながら、楽しんで笑い転げているうちに、今回の映画のメッセージは何だろう?と考えました。

それは、20年代よりさらに前のベル・エポックに憧れるアンドリアに対し、ギルが言う台詞にヒントがあるかもしれないです。

You'll start imagining another time was really your... golden time. Yeah, that's what the present is. It's a little unsatisfying because life's a little unsatisfying. (前の時代は今よりずっと黄金期だと思うかもしれないけど、それはいつの時代でもそうなのさ。だって、自分が生きている時代というのは、ちょっぴり退屈だし、人生自体ちょっぴり退屈だからね)

アレンらしい台詞。そう、人は現在を疎み、違う時代に憧れるものなのです。

ということで、なんでパリの話なのに、ご覧の写真を掲載しているのか、おわかりになったことでしょう。根津にある「GARAGE」という立ち飲み屋さん。日本にも、過去を懐かしみ、そのぬくもりを求める人たちがいるということでした。


(注:2010年10月よりコメントは承認制にしています。すぐにお返事できないこともありますが、感想、ご意見など遠慮なくお送りください)
関連サイト:
ジャパンタイムズブッククラブ 「働く女性の英語術」特集ページ

by kerigarbo | 2012-06-17 10:02 | Comments(0)
<< 近況・・・ 梅雨には、楽しいジョーク集 >>





woman.excite TOP Copyright © Excite Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
免責事項 - 会社概要 - ヘルプ | BB.excite | Woman.excite | エキサイトホーム